コラム

印刷の歴史とこれから

私たちが生業としている印刷の歴史は古く、最古の印刷物は奈良時代に刷られた「百万塔陀羅尼」という経典で奈良法隆寺に現存しています。

15世紀にはグーテンベルクがルネッサンスの3大発明といわれる今日の印刷の基礎となる活版印刷を発明します。印刷技術が当時の社会にどれほど大きな影響を与えたかは、現代の我々の想像をはるかにこえる出来事だったにほかなりません。

当初の印刷としての用途は数多くの人々へ布教するため、経典や聖書を印刷していたといわれています。16世紀には西洋の印刷技術が日本に初めて入ってきますが、こちらも聖書を印刷しキリスト教を布教させる目的だったようです。

ところが江戸時代、幕府の禁教令とも相あまってこの印刷はほとんど日の目をみることがありませんでした。こうした西洋の印刷手法とは別に、浮世絵・錦絵などの木版を用いた版画は美術として江戸時代に栄華を極めます。今でもその価値は世界でも高く評価されています。

今日、紙に刷った情報を多くの人に伝えていた印刷本来の役割は、スマホやPCなどのデジタルデバイスにとってかわり、変化の時代をむかえています。

これからの印刷はどういったかたちで存在していくのでしょうか。

果たして、美術品のような、モノとして独自の価値をもって存在していくのでしょうか、または情報を伝える役割を違ったかたちで表現し存在していくのでしょうか。

今日までの印刷の常識がどのように変化し発展していくのか、携わっていく私たちへの課題であり、また未来の印刷の在り方を期待するところでもあります。

 

営業部M

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