コラム

苦手意識が私を強くする

入社して間もないころ、上司に相談したことがある。

「人と接することが多い営業という仕事、あまり得意ではないかもしれません。」と。

その時、上司は「私、営業得意です!」という営業より「私は、人と話すことが得意ではないのですが、きちんと伝わるように色々試しています。」という営業の方が信頼できるから仕事を頼みたいと取引先の立場だったら思うよ、と言っていた。

その時の私は、あまりその言葉の意味が分からなかった。

 

私は、電話が苦手だ。

しかし、会社に入ってから電話を掛けなければならない機会が増えた。

言いたいことが上手く伝わるように話したい内容を紙に書いてから電話することにした。また、表情が見えない分、普段顔を見て話す時よりも声のトーンを明るく丁寧に話すことを心がけるようにした。

すると、入社してから2年経ったある日、上司から「あなたの電話は聞いていて心地が良いね。あなたと電話していて嫌な思いをする人はいないと思う。」と言われ、まさか苦手だと思っていた電話応対を褒めてもらえる日がくるとは思ってもみなかったので、とても嬉しく感じた。

 

そう言ってもらった時に、あの時上司が言っていた言葉の本当の意味が分かった気がした。

 

苦手だと思うからこそ、ああでもないこうでもないと色々と工夫する。それを何度も繰り返していくうちに、「苦手」からその人の「味」になっていくのだと。

 

「苦手」から目を背けず、苦手だからこそやってみる。それは自分を豊かにするためにも大切なことだと感じた。

 

外に行くことが制限されている今、自分の中にある「苦手」と向き合うことで、あらゆる可能性を広げることが出来て、自分だけの色を持った花を咲かせることができるのではないだろうか。

 

営業部 C

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